東京で妻と子ども2人と幸せに暮らす、主人公の高山道雄40歳。漫画家としての仕事も順調で、何の問題もない人生を送っているように見える。が、実は高山は“ある悩み”を抱えていた。

 彼を悩ませるのは、15歳上の長兄の存在。両親が他界し、ゴミ屋敷のように荒廃した岐阜の実家で、長兄は孤独な“引きこもり生活”を送っているのだ。なぜ長兄は引きこもるようになってしまったのか?

 ここでは、漫画家・宮川サトシが、30年ものあいだ実家で引きこもり続ける長兄を描いたマンガ『名前のない病気』(小学館)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く