〈皇太子妃、皇后という立場を生きることは、私にとり決して易しいことではありませんでした〉

　2018年10月20日、84歳の誕生日を迎えられた皇后陛下は、文書の中で約60年にわたるお務めの気持ちをこう述べられた。

〈与えられた義務を果たしつつ、その都度新たに気付かされたことを心にとどめていく――そうした日々を重ねて、六十年という歳月が流れたように思います〉

　発表前に文書を読んだ雅子妃殿下は、皇后が献身的に取り組まれてきたお務めへの思いに、改めて胸を打たれたという。それは、12月23日に85歳を迎えられた天皇陛下に対するのと同じ敬愛のお気持ちだった。

　雅子妃は、12月9日の55歳の誕生日文書の中でも両陛下への想いを次のように表されている。

〈二十六年近く前に皇太子殿下との結婚が決まりました時から、天皇皇后両陛下には、私を温かく迎え入れて下さり、今日まで変わることなく（中略）お見守り下さいましたことに、心から感謝申し上げております。両陛下がどれ程深く国民の幸せや国の安寧を願われ、お力を尽くしていらっしゃったかということを改めて思い、敬意と感謝の気持ちで一杯になります〉

1. TOP
2. ライフ
3. 雅子妃「皇后」への決意