2021年4月7日(水)、文藝春秋が主催する資産形成セミナー「20代~50代の現役世代が押さえておきたい『日本経済の行方』『税金対策・資産運用術』~気鋭のエコノミスト、富裕層を熟知した税理士が徹底解説~」がオンラインで開催された。
登壇したのは、いずれも世評の高い2人のプロフェッショナル。コロナショック後ならではの資産形成のあり方、賢い運用方法や税金対策について、有意義なアドバイスが行われた。実り多いセミナーの模様を、ここにレポートする。
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まず、「コロナショック後の日本経済の行方と資産運用」と題した特別講演の講師として登壇したのは、BRICs経済研究所代表を務めるエコノミストの門倉貴史氏。
BRICs経済研究所代表・エコノミストの門倉 貴史氏
門倉氏は、研究所における活動とあわせ、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)、「クギズケ!」(読売テレビ)をはじめとするテレビ番組への出演、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)、『門倉貴史のオトナの経済学』(PHP文庫)といったユニークな著書の執筆など、多岐にわたる活躍を続けている。
ワクチンの流通が予測よりスローペースとなったため、コロナ禍以降の世界経済の回復力は弱い。なかでも、接種率が際立って低い日本の立ち遅れは深刻であると語る。
コロナ以前の段階から、日本の財政の一番のアキレス腱となるだろうと言われていた要素が、高齢化である。社会保障の支出が増大し続け、国の借金が雪だるま式に増える。
もちろん寿命が伸びるのは幸せなことではあるが、個々の家庭に多大な負担を強いるのも事実。夫が60歳で定年を迎え、その後夫婦ともに90歳まで生きるとすると、試算では合計2923万円が必要となるという。しかも、今後年金が減ることは確実視されるため、実際にはこの金額が増えることはほぼ間違いない。
ということで、定年退職までにある程度の資産を作り、退職後も安定した収入を確保する現実的な方策としては、投資による資産運用という解が導き出される。
インフレの時代においてはお金の価値が下がってゆくため、資産を現金で保有することは得策ではない。また、銀行預金も、元本が実質上目減りしてしまう。ゆえに、株式、現金・預金、不動産の3つに投資先を分散し、中長期で運用することが賢明だという。
株式投資を始めるに当たって、2021年は大変な好機となる。なぜなら、コロナショックの影響で世界的な金融緩和が続き、低金利は維持され、過剰流動性が発生する。その結果、有り余ったお金が有利な運用先を求めて世界の資産市場に流入するのだ。
ただし、現在の米国の株価はバブルである可能性が高いため、注意が必要。門倉氏はそう釘を刺す。この3月時点でのダウ平均の株価は、景気動向指数や国債利回りから推計される理論値を、実績値が34%も上回っていた。つまり、今の株価は割高であると見られる。市場が一時的に調整色を強めたタイミングを見計らって株式を購入するのがおすすめであるというアドバイスを行い、門倉氏は講演を締めくくった。
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次の基調講演のテーマは「~富裕層を熟知した税理士が伝授~ 「withコロナ時代」の節税・投資テクニック」。税理士法人ネイチャー国際資産税および株式会社ネイチャーFASを擁するネイチャーグループ代表の芦田敏之氏がとっておきの知見を披露した。
リモートでの講演となった、税理士法人ネイチャー国際資産税 代表の芦田 敏之氏
ネイチャーグループは、税務コンサルティングを行う「税理士法人 ネイチャー国際資産税」と、資産運用ンサルティングを行う「株式会社ネイチャーFAS」の2社で構成される。税理士法人ならではの中立な立場での資産運用コンサルティングが魅力の、【税金対策・資産運用】に特化した個人専門のコンサルファームである。代表の芦田敏之氏は、資産規模100億円を超えるクライアントの案件を数多く抱えてきた異彩を放つ経歴から、「富裕層を熟知した税理士」として多数メディアに取り上げられている。
芦田氏は相続対策の重要性を説く。生涯において財産を増やすことに成功したとしても、相続税・所得税対策をまったく行わない場合は、2回の承継、つまり2代目、3代目へと財産が移る間に、その額が当初の20%にまで目減りしてしまう可能性がある。今後、個人に対するさらなる課税の強化が予測されるというから、心配は増えるばかりだ。
そこでネイチャーグループが提案するのが、「ICT方式」。インカムゲイン、キャピタルゲイン、タックスゲインの3要素を掛け合わせた同グループ独自の資産運用である。その戦略として、セミナー内ではいくつか例が挙げられた。
ネイチャーグループでは、定期的にWEBセミナーやWEBでの資料配布なども行っている。また、電話、オンラインまたは対面による無料相談を受付中。この機会に、自らの税金対策・資産運用について再考してみてはいかがだろうか。
2021年4月7日 文藝春秋にて開催 撮影/松本輝一
source : 文藝春秋 メディア事業局