「トー横キッズと昔のレディースの違いって何ですか?」
この夏、ネットニュース、紙媒体などでインタビューやコメントを求められ、こんな質問を受ける機会が多かった。
単純に比較するのは時代背景が決定的に違うので、論じることは難しいという前提で、自分なりに分析した答えを伝えた。
そもそも何でこういう質問を受けたかというと、7月に上梓した自分の書籍『特攻服少女と1825日』(小学館)の内容が1990年代のレディースに焦点を当てたものだったからだ。
私は1989年に「レディース」を主役にしたヤンキー少女専門誌『ティーンズロード』を創刊し、約5年間編集長として雑誌に関わってきた。『特攻服少女と1825日』はその軌跡と、雑誌で取り上げた何人かの少女たちのその後の人生を追跡したノンフィクションなので、ネットニュースや紙媒体は何か答えが聞けるだろうと質問してきたのだろう。ただ、質問を投げかけた多くのライターや編集者はリアルでその時代を経験していないので、レディースや暴走族は漫画やドラマの中でしか知らない。無理もないだろう。彼らには、世間からはみ出た10代というだけで、トー横キッズもヤンキー少女も同類と見えてしまったのだ。
自分の答えはいつも同じだった。
「『地元愛』『チーム』『引退・卒業』『誇り』『笑』」この5つの要素がレディースというヤンキー少女や暴走族の少年たちを端的に表しているのだが、トー横の10代はこの要素が欠けている、というかここを必要としていないのだろう。かつて、この5つの要素はレディースたちのセーフティネットになっていた。今のトー横の10代とは決定的に違う。
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source : 文藝春秋