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★オール霞が関で復興へ
「一歩間違えたら政権は奈落の底」(内閣官房幹部)という能登半島地震の対応に臨むのが、「オール霞が関」の面々だ。
岸田文雄首相にとって大きかったのが、嶋田隆首相秘書官(昭和57年、旧通産省入省)の存在だ。2016年の熊本地震では経産省の官房長として現地で各省庁を指揮。課長補佐時代には石川県庁に出向し、土地勘も人脈もある。「発生直後から嶋田氏は機敏に対応。官邸のスイッチが入るのは早かった」(同)という。
奥能登への道路復旧は、道路技官出身の森昌文首相補佐官(56年、旧建設省)が国交省道路局の長谷川朋弘審議官(平成4年、同)に指示。長谷川氏は道路の老朽化対策や修繕の専門家で、「悪い情報ほど早く伝える」がモットーだ。
最大の懸案である上水道の復旧も国交省の任務だが、水道事業を担う現地の市町は機能不全に。「4月までに基幹部分だけでも修復しなければ、被災地の不満を抑えきれない」(自民党中堅)と焦りの色が滲む。
石川県の総務部長や企画振興部長を出してきた財務省も、出向経験がある課長級を現地に送り込んでいる。石川県出向は財務省の「隠れた出世コース」(同省幹部)とされ、武藤敏郎元事務次官(昭和41年、旧大蔵省)や、大鹿行宏元国税庁長官(61年)ら錚々たるOBに加え、現役でも主計局で長く公共事業を担当し、「財務省建設族」と呼ばれてきた角田隆復興庁事務次官(63年)がいる。
一松旬首相秘書官ら実力派揃いの平成7年組からは理財局の藤﨑雄二郎総務課長が現地入りし、官房副長官補らを支える吉住秀夫内閣参事官(11年)が続いた。2人とも自動車道や空港の建設にも関与してきただけに、戸惑いはない。
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