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★国会審議に赤信号
裏金問題で大揺れに揺れる岸田文雄内閣。露見したのは官邸の機能不全だ。
疲れ切っているのが、栗生俊一官房副長官(昭和56年、警察庁入庁)である。危機管理と情報収集の要のはずだが、捜査の状況を掴みきれない。「法務・検察から情報が入らない。政府、与党から問い合わせがあっても答えようがなく、政治家を苛立たせている」(官邸筋)という。
官房長や刑事局長を経験した法務省の川原隆司事務次官(司法修習41期)は「法務・検察一体の原則を厳格に守るタイプ」(同)とされ、だんまりを決め込む。官房長官だった松野博一氏が標的になっていたことも、検察がガードを固める一因になった。
その松野氏の“置き土産”がいま、官邸を混乱させている。文教族の松野氏は、「異次元の少子化対策」の規模を3兆円から3.6兆円に増額。中でも、肝煎りの政策だったのが、大学授業料の無償化である。3人以上の子供がいる多子世帯は所得制限無しで授業料を無償化する案だが、第一子が就職すれば支援対象から外れるなどの条件が表面化。党側から不満が噴出した。
そうした中で、1月下旬に迎える通常国会は大荒れ必至だ。嶋田隆首席秘書官(57年、旧通産省)ら側近たちの表情は厳しい。首相は1月上中旬に南米を訪問予定だったが、捜査の行方を睨みつつ政治改革法案を検討するため見送った。首相が外遊している間に休暇を取ろうとした秘書官もいたが、「とてもそれどころではない」(首相周辺)と、官邸で捜査の動きを見守る。
国会前半の予算審議は財務省が責任を持つ。2023年度補正予算は既に成立したため、通常国会を急いで開く必要はないが、予算委員会の頓挫や、政治資金を巡る集中審議を考えれば、「開会を遅らせれば、24年度予算案の2月中の衆院通過に赤信号が灯りかねない」(主計局幹部)。
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source : 文藝春秋 2024年2月号