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★財政健全化への新目標
1月末、自民党の財政健全化推進本部の陣容が一新された。本部長の額賀福志郎氏が衆院議長になったことで、古川禎久元法相(平成元年、旧建設省入省)が後任に。さらに、本部長代行に小渕優子選対委員長、幹事長は青木一彦氏と、茂木派の脱会者がずらりと並び、「新グループの地ならしか」と憶測を呼んだ。「たまたま派閥脱退とタイミングが重なっただけ」(茂木派関係者)と言うが、いかにもきな臭い。
ともあれ、舞台回しを担う財務省の茶谷栄治次官(昭和61年、旧大蔵省)や新川浩嗣主計局長(62年、同)と、かつて財務副大臣を務めた古川、小渕両氏は懇意な間柄。照準を合わせるのは、6月の骨太方針だ。2025年度で期限を迎える「基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化」に終止符を打ち、次なる目標を探っている。
当初予算ベースなら黒字化の達成は可能だが、補正予算を含めれば赤字から脱却できないのは確実。しかも国債の元利払いに充てる「国債費」も含まれていない。日銀は4月に金融政策を転換し、市場金利は上昇する見通しだ。「今後膨らむ国債費を含めた目標にしなければ現実味がない」(財務省幹部)。推進本部の陣容を整えたのも、そこに向けた布石にほかならない。
坂本基総括審議官(平成3年)、寺岡光博主計局次長(同)を中心に、実務は有利浩一郎主計官(8年)、横山好古主計局調査課長(12年)らが担うものの、新たな目標を決めるのは1年余り後だ。このため、「緻密さと大胆さを併せ持つ」(財務省中堅)と頼りにされてきた吉野維一郎主計局次長(5年)も投入されそうだ。
吉野氏は親子二代で大蔵官僚。同期からは自民党の木原誠二幹事長代理、国民民主党の玉木雄一郎代表らが政界入りし、「才気溢れる人材が揃った年次だった」(元秘書課長)。
若手時代から直言居士で、主計官時代には森友学園問題を巡り、幹部に「メディア対応に隙がある。もっと脇を締めないと省内が混乱する」と諫言したことも。
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source : 文藝春秋 2024年4月号