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★「ミスター円」の将来
裏金問題で荒れた通常国会で2024年度予算が成立し、財務省にはホッとした雰囲気が漂う。次なる関心は今夏の人事異動である。
茶谷栄治事務次官(昭和61年、旧大蔵省入省)の退任は確実だが、国際部門を率い、「ミスター円」の異名を取る神田眞人財務官(62年、同)も交代する。次官に昇格する同期の新川浩嗣主計局長が予算、税制、官邸と国内部門で幅広くキャリアを積んだのに対し、神田氏は秘書課と国際部門の経験が長い。
「霞が関で絶滅危惧種となった国士型官僚。こうと思い込んだら相手が誰でも一歩も引かない」(経産省幹部)と他省庁からも警戒されてきた。1ドル=150円の円安に直面し、“口先介入”も辞さず、メディアを動かすのも巧みだった。
教育・文化担当の主計局次長だった時に、国立大学の予算削減を巡り山極壽一国立大学協会会長と激しくやり合ったのは語り草だ。京大で霊長類の生態を研究していた山極氏が「ゴリラの方がよほど気性は穏やかだ」と嘆いたと囁かれる。
また、日銀初の女性支店長となり、いまや国際部門を握る清水季子(ときこ)理事(62年入行)とはかなりの緊張関係で、「国際会議で顔を合わせるとピリピリした雰囲気が漂い、周りが気を遣う」と苦笑いする財務省の後輩も。年次が同じで、向こう気の強さは互いに引けを取らない。
再来年11月で任期満了を迎える元財務官でアジア開発銀行の浅川雅嗣総裁(56年、旧大蔵省)の後任に神田氏を送り込むのが、財務省のプランだ。
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source : 文藝春秋 2024年5月号