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五月病は体内時計のズレから始まる

 こうした「季節と体」の関係が前提としてある上に、フレッシュマンにとっては入学や入社という「環境の変化」が大きなストレスとなる。それまで馴染んでいたところから知らない人ばかりのところに移り、慣れない勉強や仕事に必死に取り組んできた1カ月。心身ともに疲労が最大値に達したところで大型連休を迎えた。しかし、ここでたっぷり休んでしまうと、体のリズムが崩れやすくなるのだ。

「朝寝坊や夜更かしのし放題でサーカディアンリズム(概日リズム=体内時計)が狂うのが一番の原因。家族と同居していればまだ周囲と合わせようとする力が働きますが、一人暮らしだと歯止めが利かない。昼夜逆転の生活に体が馴染んでしまったところで再び学校や会社が始まり、体は否応なく緊張状態に置かれます。このストレスが“症状”という形で顕在化するのが五月病の正体なのです」

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五月病が侮れない理由は、"3つの不調"

 だからといって連休中にも会社に行けというのではない。せめて起床時間だけでも揃えておけば、五月病のリスクは下げられたということだ。

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 山本医師によると、五月病の症状は「体」「心」「行動」の3つの不調に分類されるという。

「“体の不調”とは、頭痛、めまい、動悸、肩や首のこり、胃痛、下痢や便秘、吐き気に代表される消化器系の症状など。“心の不調”とは、無気力、億劫、憂鬱、イライラ、不眠、など。“行動の不調”とは、登校や出社拒否、暴飲暴食など。いずれも早期であれば生活習慣を見直すことで改善も可能ですが、放置すると自分では治すことができなくなり、医療の力を借りる必要が出てくる。それさえ放置すると、いずれうつ状態に移行することになり、こうなると危険です。自分など社会の役に立たない人間だ――と思い詰めるようになり、最悪の場合は自殺の危険性も出てくる。早い段階で対策を講じる必要があります」

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