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保守層に響いている「山本太郎現象」
現象と言えば、今「山本太郎現象」とでも呼ぶべきものが注目されている。
政治学者・中島岳志氏の分析によれば、山本太郎の主張は「苦境にあえぐ農家や中小企業、商店主など旧来の自民党支持者たちに支持されています」(「論座」朝日新聞デジタル)という。
《山本さんは一般的に、左派的な政治家と見なされますが、実際は保守的な庶民層に届く熱量をもった政治家です。これから選挙戦が過熱化し、テレビなどで山本さんの姿と主張が取り上げられると、安倍政権に不満を持つ保守層に支持が拡大する可能性があります。》(中島岳志「論座」)
先日SNSでまわってきた動画を見たら、街頭演説をする山本太郎に「クソ左翼死ね」という言葉が飛んでいた。今の現象を見るとクソ左翼という認識が間違いであることがわかるがそれはさておき、
山本太郎はヤジに対して、
「ありがとうございます。クソ左翼死ねというお言葉をいただきました。ありがとうございます。死にたくなる世の中を変えたいために私は立候補してるんだ。みんなに生きていていただきたい。」
と言っていた。反対者も含めたみんなが自分の政治の相手だと。
こういう「度量」も、保守層を取り込む要因になっているのではないだろうか? いや保守層こそ、か。
分断された首相の演説風景と対照的であった。笑いや冗談抜きでそう思えたのである。
参院選の選挙戦も後半に突入する。
政治家や候補者たちが必死で夢中な今こそ、言葉や風景がむき出しになるのでさらに注目だ。