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相鉄線の二俣川駅には何がある?

 二俣川駅は相鉄本線といずみ野線が分岐する駅で(なんだか駅名にもピタリと合っている)、調べてみると相鉄の各駅の中では横浜・海老名・大和各駅についで乗降人員が多い。他社路線との接続がない駅ではもちろんNo.1で、特急を含めたすべての列車が止まるちょっとしたターミナル。

二俣川駅には何がある?(「免許センター」という神奈川県民も多いかもしれない……)

 となれば“相鉄沿線”らしさがムンムン漂う立派な駅なのだろうと思って、降りてみた。すると……思った以上に立派な駅であった。ホームそのものは島式2面4線というシンプルな構造だが、階段を登って改札口を抜けたところでアッとびっくり。コンコースを覆うように駅の南北に立派な駅ビルが建っているのだ。そしてそれぞれに並み居るチェーン店が入っていて、この駅舎だけでも日常生活からちょっとした贅沢まですべてがまかなえてしまいそうなレベル。

 北口の駅ビルは「相鉄ライフ 二俣川」といい、南口の駅ビルは「JOINUS TERRACE 二俣川」というらしい。シックな色合いで膜屋根の吹き抜け空間まで用意されていて、申し訳ないけれど想像していたよりも遥かに立派であった。そしてこの駅ビルを抜けたところにバスのロータリー。その傍らには真新しい大きなマンションも建っていた。二俣川駅の立派さ、例えれば東急田園都市線のたまプラーザ駅の相鉄版。いくらか規模が小さい気もするが、相鉄を舐めちゃいかんと教わった二俣川駅であった。

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改札を出ると立派な駅ビルが待っている
こちらが南口「JOINUS TERRACE 二俣川」
北口の商業施設「アルコット二俣川」

駅前の人に聞いてみた「JRとの直通で、便利になりそうですね?」

 そこで、駅前を歩く人に声をかけて聞いてみた。JRとの直通で、便利になりそうですね?

「そういう人もいるかもしれないけど、私には関係ないですね。別に新宿に行くような用事はないですから」(40代くらいの男性会社員)

「渋谷とか新宿に遊びに行くことがあるかも。でも、横浜に出ればたいがい済んじゃいますからね……」(学生と思しき男性)

 うーむ、地元では大層な盛り上がりかと思いきや、恩恵を受ける人ばかりではないようだ。もちろん「通勤がだいぶ楽になる」と言ってくれた人もいたが、「そもそも相鉄沿線に住んでいる人って大半は沿線とか横浜でことが済んじゃいますからね……」(40代と思しき主婦)というわけである。

「通勤がだいぶ楽になる」派は意外にも少なかった
駅前には真新しいマンションも
駅近くにスーパーもあり、住みやすそうな街である

 と、思ったよりも立派な駅でなんともいえない話を聞いて再び相鉄線に乗り込んだ。次に向かうのは、少しだけ横浜方面に戻って西谷(にしや)駅。東海道新幹線と交差する場所にあり、ちょうどJRから直通してくる列車が本線と合流するポイントにある駅だ。これまでは各駅停車しか止まらなかったが、直通運転開始に伴って特急を含めた大半の列車が停まるようになった。各駅だけが停まる駅から相互直通運転の要衝のターミナルへ。こちらならさすがに盛り上がりを感じることもできそうである。