いまから40年前のきょう、1977年5月16日、アメリカのアップルコンピュータ(現アップル)がパーソナルコンピュータ「AppleII」を発売した。アップルはその前年の1976年4月にスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックによって設立され、この年1月には株式会社に改組していた。
前年に発売された「AppleI」がモニターもキーボードもケースもないボード・コンピュータだったのに対し、AppleIIは一般ユーザー向けの製品として開発され、キーボードや電源などがひとつのパッケージになっていた。
AppleIIの回路基板とそれを動かすソフトウェアは、エンジニアであるウォズニアックが開発したすぐれたものであったが、それをパッケージにまとめあげたのはジョブズである。ジョブズはまたAppleIIを会社の主力製品に据え、経営を展開していく。「ウォズはたしかにすばらしいマシンを作ったが、スティーブ・ジョブズがいなければ、そのマシンはマニア向けの店でほそぼそと売られるだけだったろう」とは、アップルの広告担当者レジス・マッケンナの後年の言だ(ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズI』井口耕二訳、講談社)。事実、AppleIIは発売後16年間、さまざまなモデルが総計600万台も販売され、アップルばかりでなくパソコン産業の基礎を築くことになる。
ちなみに、アートディレクターのロブ・ヤノフがマッケンナの命を受けて、一口かじったリンゴをかたどったアップルのロゴマークを生み出したのは、AppleIIのパンフレットの作成に際してだった。