1位に選ばれたのはまさかのあの人…! 若者が今、「上司にしたい」有名タレントとは? そこからわかる今必要とされる「上司の資質」とは? 離職問題の専門家である井上洋市朗氏の新刊『離職防止のプロが2000人に訊いてわかった! 若手が辞める「まさか」の理由』(秀和システム)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/最初から読む)
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理想の上司・先輩の条件は「親しみやすさ」
今の時代に傾聴や共感が重要なことは、明治安田生命が毎年実施している「新入社員が選ぶ『理想の上司』総合ランキング」を見るとよくわかります。
男性上司、女性上司のそれぞれで、理想の上司を選んだ理由とともに回答するのですが、2024年2月発表の調査では、なんと男女ともに8年連続で同じ人物がトップをとっています。
男性上司の1位は内村光良さん。お笑いコンビ「ウッチャンナンチャン」のウッチャンです。1964年7月生まれなので、2024年12月の執筆時点で60歳です。この年齢で新入社員から理想の上司に選ばれているのは、個人的には意外です。
女性上司の1位は水卜麻美さん。現役の日本テレビアナウンサーであり、実際に日本テレビで管理職を務めているそうです。
ランキング順位以上に注目したいのが「理想の上司を選んだ理由」です。選んだ理由を見てみると、今の若者が上司に求めているものがわかります。
内村さん、水卜さん、どちらも理由のトップは「親しみやすい」です。
理想の上司を考えるときに親しみやすさがトップになるのは、今の若者に求められる上司像を考える際に大きなヒントになります。
過去の同調査も見ていきましょう。2016年(内村さん、水卜さんの連覇が始まる前の年)は、理想の男性上司は松岡修造さんで、理由は「熱血」です。
また理想の女性上司は天海祐希さんで、理由は「頼もしい」というものでした。
松岡さんと天海さんはタイプこそ違いますが、イメージとしては先頭を切って組織を引っ張ってくれたり、時には厳しい言葉も含め、叱咤激励してくれたりするような印象があります。
なお松岡さんは2015年が2位で、2016年が1位。天海さんは2010年から2016年まで7年連続1位です。2016年ごろまでは、先頭で引っ張るタイプの上司が求められていたのかもしれません。
ちなみに、天海さんは2024年発表の調査でも2位ですが、松岡さんはランク外となっています。松岡さんの熱血は、今の時代にはマッチしないということでしょうか。
一方で、天海さんが選ばれている理由の「頼もしい」の項目は、内村さんを選んだ理由でも2位に入っています。親しみやすさと頼もしさが、今の若者世代から求められる上司像と言えそうです。
