昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

“巣ごもり”は合宿。家族のシフト表が必要だ

 では、どうやって対処すればよいのでしょうか。大切なのは、一家が追い詰められている状況を、客観的に把握すること。つまり「見える化」するのです。

 イライラしてしまう妻の場合、いまの緊急事態宣言の下での漠然とした不安や焦りから、ついついあれもこれもと言ってしまうケースが多い。

 そんなときは、つい小言になってしまった「相手にやってほしいこと」を見える化することで、「実際にできること」「できないこと」がはっきりします。

ついつい感情的になってしまうからこそ、「見える化」が大切(写真はイメージ) ©iStock.com

 たとえば、子どもに「勉強しなさい!」と言い過ぎてしまうお母さんを例にしましょう。教科書すら渡されていない学校もあるそうですから、親御さんが不安なのは当然です。

 それなら、「この先1カ月でどの教材を何ページやるのか」を具体的に家族で考えてあげるようにする。それを決めるためには、「問題集1ページには、どのくらいの時間が必要か」「いつも学校では何時間授業を受けているのか」などと子どもから聞き取って、一緒に計算してみる。その過程で「実際に出来ること」が可視化されて、不安が解消されるのです。

 いま、“巣ごもり”中の家庭の多くは、家族の時間の使い方がフリーハンドで委ねられた状況です。だからこそ“合宿”のように、

「何時に起きて、何時に朝食。何時に風呂に入って、何時に就寝」

 と、予定をホワイトボードなどに書き出して時間を固定してしまう。「どうせ遅刻しないし」「どうせテレワークだし」と、ついつい夜更かし・朝寝坊をしてしまうのではいけません。「まだおなかすいてないからご飯はあとでいいや」というマイペースもやめて、とにかく決まった時間を必ず守るのです。

 さらに、このルーチンに、「お米をとぐのは子ども」「お風呂を洗うのはお父さん」など、家族みんながどこかで関わるように工夫する。そうやって、家族全体の“シフト表”がわかる状態にすることをお勧めします。

 一見すると不自由な生活に見えますが、「見える化」することで、家族のなかで各人の「本当の自由に使える時間」がわかります。6時間しか使えないのであれば、3時間は勉強して、3時間は好きにしよう、と相談が出来るのです。