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――エンジニアが必要になる場面も出てくるでしょうし。

杉本 そうです。2017年にグーグルショッピングが他社のショッピングサイトより検索結果が上位に出るようにアルゴリズムを操作していたとして、欧州委員会が24.2億ユーロの制裁金を課したことがありました。この時に必要だったのは、アルゴリズムをどういうふうに設計して、優越的に検索結果が出るようにしているかを立証すること。これができる人材が必要ということですね。同じことを日本の当局がやろうとすれば、現状ではどうしても外部の専門家人材を活用するしかないでしょう。霞ヶ関で「内製化」するよりも、外部人材をどんどん登用するしかないと実感しています。

杉本和行公正取引委員会委員長の再任記者会見(2018年3月7日 公正取引委員会Twitterより)

巨大プラットフォームは、どんどん自ら領域を広げていく

――公取委員長時代にお書きになった『デジタル時代の競争政策』(日本経済新聞出版)や記者会見での発言では、経済政策的な観点から医療や金融データのオープンソース化について提言もされてきました。デジタル庁の目指す方針の一つに規制改革があるわけですが、杉本さんの視点からはどのようなことが必要になってくると思われますか。

杉本 巨大プラットフォームというのは、どんどん自らのエコシステム、領域を広げていくんだと思います。GAFAはもちろん、例えば中国のアリババもEコマース(電子商取引)事業から発展して、電子決済サービスの「アリペイ」で金融業界でも存在感を増しています。かように、金融、医療、モビリティと、様々な産業に領域を広げていくわけです。

 

 その際にプラットフォームはユーザーが提供する個人情報を大量に持っていますから、各市場で大変有利になる。そうすると、他企業とのレベル・プレイング・フィールドが確保できているかが大きな問題となってきます。つまり、競争基盤が不公平になっているわけです。自然とプラットフォーム企業は市場を支配的に独占しがちになってしまう。これを解決するために、私は産業別にビッグデータと言いますか、シングルデータベースを構築してはどうかと考えているんです。

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