官僚・自民党の政治家が多い「本当の理由」
筑駒では官僚を養成する教育を行っているのか。
元・大王製紙社長の井川意高(1983年卒)は、筑駒中受験を前に郷里の四国から上京し、帝国ホテルを常宿として代ゼミに通っていた。1980年代の筑駒を振り返る。
「教師の大半は日教組(日本教職員組合)。半分くらいは共産党員。革マル派崩れの教師なんて山のようにいた。世界史の教師なんて学生時代にゲバ棒をもって走ってた元活動家だし、倫理の教師なんて完全にずーっと共産主義思想教育をやってた。とんでもねえ左巻きの学校でしたな」(『東大から刑務所へ』幻冬舎、2017年、堀江貴文との共著)。
話に盛り感はあるにしても、これほど反体制教員が揃えば、国家を守るために官僚、自民党政治家になろうとするのも不思議ではない。筑駒そのものが反面教師だったわけだ。
なお、井川は大王製紙社長時代に海外のカジノで大負けして、子会社などから106億8000万円を調達して借金のアナを埋めた。東京地検は黙ってはいない。特別背任容疑で逮捕されてしまう。井川を捕まえる検察にも筑駒OBはいた。
筑駒の「とんでもねえ左巻き」の影響を受けたのかもしれないのが、日本共産党の政治家の小池晃(1979年卒)である、筑駒時代に「平和のために何かをしたい」と民青(日本民主青年同盟)に加入。浪人中の駿台予備学校時代は民青駿台班として活動していた。東北大医学部出身ながら医師よりも政治家を選んだ。現在の肩書きは共産党書記局長。党ナンバー2といわれ、志位和夫委員長の後継者ともウワサされる。
教駒、筑駒OBでここまでの登場人物は後藤田、小池を除き、すべて東京大出身である。さすが63.8%。
だが、教駒は早稲田にもしっかり根を張っていた。