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「すがる相手は二階先生しかいません」微妙なパワーバランスが働く原発事業で二階俊博が信望を集める“奇妙な理由”

『泥のカネ 裏金王・水谷功と権力者の饗宴』より #26

2021/05/03

source : 文春文庫

genre : ニュース, 社会, 政治, 経済, 読書

元秘書の抗弁

「それ(胆沢ダム工事の受注)は普通の営業の結果です。われわれのような(重機土木の)会社だったら、どういうかたちだって、ダム工事には入ると思う。とうぜん営業するでしょうけど、丸磯が議員とどうのこうのだからやっているものでもないしね。二階先生に近いといっても、それは関西のことだけじゃないですか。うちは、どっちかというとその関西が弱いんです。どっちにしたって、われわれサブコンは民民の話ですから、直接、官庁の仕事を取るわけじゃない。だから政治力うんぬんと言ったって、さほどどうこうということにはならないんじゃないでしょうか」

 元秘書のいう「民民の話」とは、元請けから工事を請け負う民間同士の受注発注行為という意味だ。それゆえ、政官界の絡んだ贈収賄などには無関係だと抗弁する。だが、水谷建設に見るように、下請けであるサブコン業者ゆえの別の意味での役割がある。再び地元の建設業者が指摘する。

「あの選挙違反のときは、二階先生も危ない、と囁かれたもんです。秘書が泥をかぶったわけだから、本当なら議員先生がそのあと面倒を見なきゃいかんですわな。先生に代わり、みずから買って出て面倒を見たのが丸磯ということでしょう。丸磯にとっても大きなメリットがあった。元秘書は、丸磯の営業部長と呼ばれている。あれは二階先生の秘書や、と業界ではみんな知っています。今は関西支店長の肩書を外していますが、二階先生には秘書の面倒を見てもらったという弱みもあるし、二階事務所との関係は変わっていない。抜き差しならん関係ではないでしょうか。西松事件で、ゼネコンの窓口になっていた二階先生の政策秘書の長田(武敏)なんかは、丸磯の関西支店にしょっちゅう麻雀をしに来ていました。何か用があって東京から来るんでしょうけど、夜の接待も受けてました。それは業界では普通なんです」

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