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ショートメールに助けられた人たちも

 高層マンションに老人と大人と子供の大家族で住むというのは珍しくなく、老いた人は同じフロアの人々と困ってる中で話をして暇をつぶすというのは、中国生活をしていた身、想像ができます。毎日同じマンションで知らない人同士が麻雀や太極拳をしますからね。一方で集合住宅に住んでいながら、緊急時に同じ建物のフロアの人々と会話をすることもなく、電波が届くまでろうそくに火を灯し、ネットで会話できない孤独の中で復旧を待つネットユーザーもまたいました。他国のこととは思えません。

「豪雨から8日経っても電気と水がまだ来なくて狂いそう」というつぶやき(出典:微博)

 ただデータ通信はダメでも、ショートメールだけはつながりがマシだったそうです。だから知り合いにショートメールで連絡して、その知り合いが代理で微博や微信にて安否情報を伝える手法が見られました。またショートメールを受けたら、それを微博でツイートする有志も登場、多くの人が助けられたといいます。

ネットが復旧するまでの移動や地図サービス

 豪雨の後に空は晴れ、水は引き、外を自由に歩けるようになり、電気が回復した後も、ネットの復旧はしばらく時間がかかりました。

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 移動についてはネットがつながらない場所ではシェアサイクルが使えず、配車サービスも使えず、代わりに白タクを捕まえます。トラックに声かけても乗せてもらうことができたとの声も。「乗せてもらっていいですか?」「いいよ! 自分で料金を決めて払ってくれ。地図は全体マップしか出ないから場所も金額もわからないんだ」――こんなやりとりがよくあったようです。

 地図アプリもネットが普通に使えた際にダウンロードしたキャッシュが残るのみで、行った場所だけが運が良ければある程度細かく表示されるくらいです。当たり前にあった地図が使えなくなり、カーナビも使えなくなりました。中国全土のどこに新型コロナウイルス感染者がいて、ウイルス感染リスクがあるかという「健康コード」が運用されていますが、これも使えなくなりました(後日、全市民にPCR検査を実施したようです)。

 では地図サービスはネットが使えない地域でまったく役立たないかというとそうでもなく、中国の有力地図サービスの「高徳地図」は、どこに救助が必要な人がいて、どういう状況で何が必要なのかを付記し地図上にピン留めする機能を追加しました。これを外部から救援を行う際に活用するというもので、なかなか役立ちそうな試みです。