「“選挙前の小遣い”という認識です」
「配られた50万円は選挙のための金であることは、スキームを作った西田府連会長がいちばん理解しているはずです。配られた50万円は飲み代など私的に利用する議員が多かった。なかには『50万円の存在を妻に知られたくないので、府連からの通知を事務所に送らないでくれ』なんて依頼してくる議員もいたほどで、“選挙前の小遣い”という認識です。まさに選挙活動を頑張ってもらうための使途不明金そのものであり、党勢拡大のための金とは言えない」
そして今回新たに、京都6区から衆院選に立候補し、3期務めた安藤裕元衆院議員が取材に応じた。安藤氏は府連から「党勢拡大のための金」という説明をうけたかどうか記憶がないと語り、こう続ける。
「(最初の選挙では)府議会議員5人分、2回目から1人増えて6人分、府連に振り込みました。300万円です。選挙の前に配るわけですから、選挙のための金だと思われるのではという懸念がありました。しかし『慣例である』『合法である』と言われたので、その通りにしました。大きなお金を選挙前に動かすというのは誤解を招くことになるので、改めた方が良い」
候補者が府議や市議に50万円を配るという選挙買収は、「昨年の衆院選でも行われた」(地方議員)という。京都府連のトップである西田氏はいつまで「選挙のためではない」と抗弁するのだろうか。
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2月10日発売の月刊「文藝春秋」3月号、および「文藝春秋 電子版」では、この選挙買収問題を詳報している。金を受け取った候補者や地方議員の証言に加え、議員名と金額が記された「選挙買収リスト」などの内部文書を公開。さらには、京都府連会長であり、この選挙買収のスキームを作ったとされる西田参院議員の疑惑についても報じている。
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