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「政治に興味は?」「いやぁ、全然なかったですね」

――その当時は、政治に興味は?

赤松 いやぁ、全然なかったですね。

――「マンガ家が参院選出馬」と聞くと、「またタレント候補か」と感じる人もいると思います。

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赤松 そうかもしれませんね。

――ただ、赤松先生はこれまでもマンガを連載しながら、一方で政治的な活動も続けてこられました。その経緯をお聞かせください。

赤松 私の政治活動の“デビュー戦”は、出版物に関する「著作隣接権」の問題についてです。2012年頃ですね。

 

――著作隣接権とは、著作物の創作者ではないものの、著作物の伝達に重要な役割を果たしているもの(実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者)に認められた権利で、音楽事業を想定したものです。文化庁は出版社にもこの権利を付与することを検討していました。

赤松 文章がメインの著作物の場合はレイアウトなど編集的役割が大きいですが、マンガはよりクリエイター側の裁量が大きいんです。私が権利者の立場からブログで著作隣接権を批判したところ、講談社が「出版社が著作隣接権を求める理由」を説明してくれることになりました。

 このときは森川ジョージ先生(『はじめの一歩』)にも同行してもらいました。ただ、権利者からすれば「本人以外の権利者が増えるのは望ましくない」という立場は変わりません。

 

 この頃から各方面に意見を求められるようになりました。ただ、文化庁から「赤松先生個人でやっていると連絡が取りにくいので、どこか団体に入ってもらえませんか」と言われたので、日本漫画家協会に加入することになったんです。

 それからすぐ、日本漫画家協会は私がネット入会制度を整備して会員数が5倍に急増し、ちばてつや理事長(当時)にも随分褒めていただきました。

 

――日本漫画家協会は出版社への著作隣接権付与に否定的な見解を発表し、現在のところ、出版社に著作隣接権は付与されていません。

赤松 そうですね。更に2013年には、自民党から児童ポルノ禁止法の改正案が国会に提出されそうになりました。このときは山田太郎議員(当時・みんなの党)から日本漫画家協会に連絡をもらいました。山田さんとのつきあいは、このときからです。