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骨髄液を抜き…麻酔から醒めると脚が固定されていた

――骨髄に補強芯を入れるようなものですか?

Gen そうです。骨の芯にはジェル状の骨髄液が詰まっていますが、この液を一部除去し、髄内釘を入れてネジで固定します。

Genさんの足のレントゲン写真。髄内釘がネジで固定されている(本人提供)

――髄内釘を入れるメリットは何でしょう?

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Gen 骨延長手術では切った骨を牽引しますが、その際に創外固定器という、骨を固定するフレームを装着します。

 創外固定器は足の周りをぐるっと囲んでいて、金属のピンやワイヤーが骨とつながっています。全身麻酔から覚めると、こんな状態でした。

創外固定器をつけたGenさんの足(本人提供)

 髄内釘の最大のメリットは、骨髄にインプラントを入れることで、この創外固定器が早期に外せることです。

 仮骨はまだ柔らかいので、それ自体が骨として機能するには時間がかかります。LON法では骨の内側を髄内釘が支えるので、仮骨ができた時点で創外固定器を外して、自分の体重をかけることができます。

LON法ならば創外固定器が早く外せる(本人のYouTubeより)

髄内釘を抜くために手術回数が1回増えた

――LON法のデメリットはあるのでしょうか?

Gen 髄内釘を入れたりピンで固定するので、傷跡が増えるのと、感染症のリスクが高くなります。

 また、のちに髄内釘を取り出すので、手術の回数が1回増えます。僕は3回目の手術後、2020年に再渡航して抜釘手術を受けました。

自分の足に入っていた髄内釘を見せるGenさん。右が大腿骨に入っていたもの、左が脛骨(スネ)に入っていたもの(本人のYouTubeより)

 どんな術式でもメリットとデメリットがありますが、LON法は創外固定器が早く外せるので、日常生活に戻りやすい。手術代はその分加算されますが、術後の滞在費は減るので、収支同じというところです。(#2に続く)