27歳のときにアルメニア共和国で《骨延長》と呼ばれる外科手術を受け、167cmの身長を10cm伸ばしたGenさん(30)。本業は医師だが、現在はYouTubeやTwitterで情報発信する骨延長インフルエンサーとしての顔も持つ。

 Genさんはアルメニアに約5カ月滞在したという。足の骨を人工的に4カ所切断する過酷な手術とリハビリは、一体どんなものだったのか。外国での入院、療養生活、さらにSNSで素顔や職業を公開する率直な理由を聞いた。(全2回の2回目/1回目を読む

※記事にはショッキングな写真も含まれます。ご注意ください。

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太腿とスネの骨を対角で1カ所ずつ切っていく

――4回の骨延長手術の内容を、具体的に教えていただけますか。

Gen 僕は両足の太腿とスネ、計4カ所の骨を切りました。

 術後は必ず創外固定器をつけますが、4カ所同時に固定器をつけるのはQOLが著しく下がるので、現実的には無理です。このため、1回の手術につき「太腿1カ所と、その対角のスネを1カ所」切る方法をとりました。

 手術内容は次のようなものです。

2018年 5月 手術(1):右足太腿と左足スネの骨を切る、創外固定器の装着、髄内釘を入れる

 

2018年 8月 手術(2):左足太腿と右足スネの骨を切る、創外固定器の装着、髄内釘を入れる、手術(1)の創外固定器を外す

 

2018年10月 手術(3):手術(2)の創外固定器を外す

 

2020年 1月 手術(4):両足の髄内釘を全て除去

Genさんは1回の手術で、太腿の骨とスネの骨を1カ所ずつ切った。1回目に切った部分が赤色の枠、2回目が黄色の枠(本人のYouTubeより)

――なるほど。創外固定器はピンやワイヤーが骨とつながっているそうですが、痛みはどうなのでしょう。

創外固定器。ピンで骨を支えている(本人提供)

Gen 術後数日は強い麻酔を使うので、そこまで痛くはなかったです。麻酔が切れたときは、ナースコールをして追加してもらいました。

 それよりも、固定器がずっと付いていて寝返りが打てないのが、地味にストレスでした。歩行練習などのリハビリは、術後翌日から行います。