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「1日1mmずつ、自分でナットを回して骨を延ばす」“骨延長手術”で身長を10cm延ばしたイケメン医師が語る「アルメニアでの入院生活」

骨延長手術を受けた医師インタビュー #2

2022/03/13
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「1日1mmずつ」自分でナットを回して骨を延ばす

――術後はどんどん歩く方針なんですね。創外固定器で骨を延ばす際、操作はドクターが行うのでしょうか?

Gen いえ、上半身は自由に動かせるので、操作は自分でやります。僕は術後3日から骨延長を始めました。

 創外固定器についている銀色のナットを回すと、仮骨が延びていきます。目安としては、1日に約1mmずつ伸ばせるので、身長を5cm伸ばしたい場合は50日、10cmだったら100日間が必要になります。

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創外固定器を操作して、1日1mmずつ骨を延ばしていく

 

――1日に1mmずつ、を毎日繰り返すんですね。

Gen 延ばす際にはルールがあり、ハンドルを一気に1mm分回すのではなく、1日4回に分けて0.25mm分ずつ回します。僕は9時、12時、15時、18時の4回、忘れないようにアラームをかけてハンドルを回していました。

――骨を延ばす際は痛いんですか?

Gen  1回0.25mmなので、僕の場合は痛くありませんでした。人によっては痛みを感じる人もいるようです。

「足骨が4カ所切断」状態になる2回目の手術

――特につらかった手術はありますか?

Gen 2回目の手術です。1回目で太腿とスネの2カ所を切っていて、体はまだ回復途中の状態。そこに追加で2カ所切るので、体への負担がすごくかかるんです。

 術後2日目くらいまでは麻酔後の吐き気も含めてかなりつらくて、「なんで俺、こんなことしてるんだろう……」と思うときもありました。

辛い日々を乗り越えて身長を10cm延ばしたGenさん(本人提供)

――2回目の術後は、4カ所切っている状態ですね。

Gen そうです。だから回復にも時間がかかります。1回目の術後は翌日から歩行訓練を始めましたが、2回目の術後は、歩くまで18日かかりました。

 1回目の術前は普通の生活をしていたので、足にも筋肉がついています。ところが、2回目の術前は、すでに2カ所を骨折した状態で、ベッドにいる時間も長かった。もともと弱っている足を、さらに追加で2カ所切るので、体重もすごく落ちるんです。僕は最大で12kg落ちました。