さらに自宅のキッチンで、夕食の準備をする石川にこんな事を聞いてみた。
スタッフ:
食事の献立は、どうやって決めているんですか?
石川:
常に一緒です。 スープに入れるメインの野菜に関しては、パプリカ、ブロッコリー、ニンジン。そこを変えることはないですね。(作った)半分はその翌日のお昼だったり夕食で。今ニンジン切ったんですけど、ニンジンの切った数を数えて半分食べます。
スタッフ:
同じ量を食べたいからですか?
石川:
はい、だいたい偶数にしてやってます。
ニンジンの数まで数えているという石川の、手作りメニュー。
色鮮やかなたっぷりの野菜と、たんばく質が豊富な大型ステーキ。そして大盛の炭水化物。フルーツも添えられている。
別の日のメニューと比較しても本当にほとんど同じ献立がならぶ。
いったいどんな意図があるのだろうか?
「食事の最大の目的は、栄養摂取や、栄養補給のためなので、栄養をちゃんと摂れると安心で、おいしさとか楽しさというものはその次で、まずは何を摂っているか、何が摂れたかが、僕の中は一番重要です」
その結果、「自分で作る食事に関しては、栄養補給がメインなので。あまり料理に負担をかけずに簡単に早くというか、時間をかけずに効率よく栄養補給できるようにしている」のだという。
くり返しになるが、食事の目的はあくまで「栄養補給」であり、「おいしさとか楽しさはその次」と言い切る石川は、献立に頭を悩ますことを望んでいない。
だからこそ、身体を最優先に決めた食材を、手間をかけずシンプルに調理して、毎日摂るようにしているのだ。
同じ生活をするはストレスを無くすため
他にも歯磨きとトイレの順番、試合会場に入る時間は90分前など様々なことが決まっているという石川。一体どうしてここまで「同じ毎日」にこだわるのだろうか?
「労力と言ったらおかしいですけど、考え過ぎてしまうと、頭がパンパンというか、ストレスになってしまうので、ストレッチだったり食事だったり、やることを決めて、そこに対するストレスを無くしています。
常に新しい環境が目の前にあるので、そういったものを受け入れながら成長することも必要なので。余裕がないとトップには残っていけないと思っています」
つまり、バレー以外のことを考える時間をなくすことで自分に“余裕”を作り、“余裕”を持つことで、海外でのどんな刺激や変化も、成長として受け止めることができる、心のゆとりが生まれる。
この“余裕”こそが、世界一のプレーヤーを目指すには必要不可欠なのだという。
「その余裕が大事かなと思っています」
男子バレーの未来を担う日本のエースには、世界のトップを目指すためのルールがあった。
あなたが生活にとり入れるとしたら、どんなやり方があるだろうか?