桜井町長が就任した直後、別の男性職員が自殺
悲劇は続く。翌21年1月、町内の栗菓子店「桜井甘精堂」社長だった現在の桜井昌季町長(56)が市村前町長から後継指名され、無投票で町政を継承。直後の2月12日、健康福祉課に勤務する男性職員B氏(47)が自殺したのだ。
「元々、心身の状態が悪く、長期で療養していたが、同課は市村氏の肝いりで策定していた『自殺対策計画』の所管だけに衝撃が走りました」(前出・中堅職員)
実はその翌々日にも財務課に勤務する50代女性が心不全で亡くなった。
「突然死とされたが、上司と折り合いが悪く、ストレスはかなりあったと思います。亡くなる前、上司と怒鳴り合いをし、周りの職員が足をすくませていたところ、泣き崩れた」(別の職員)
物置で命を絶ったC氏。波紋を広げた教育長の言動
そして――。今年1月19日、教育委員会の男性職員C氏(35)も自死を選んだ。当日、実家に昼食を摂りに帰り、そのまま物置で命を絶ったのだ。
「前年4月まで在籍していた税務会計係で多忙を極めていた。一時、長期の休養を取り、異動後も朝起きられないことがあった」(同前)
農業を営むC氏の父親が、畑の中で語る。
「仕事を『もっとグループでやればいいのにな』と漏らしたことがあった。父親としてもっと話せばよかった。でも色々考えると人のこと恨んじゃうから……」
C氏の死亡当日の、教育委員会トップ・教育長の言動も波紋を広げた。
「教育長は信用金庫出身で、市村前町長の中学と大学の先輩。不動産業を営み、職務中によく取引の電話をしたり、通帳を眺めたり。Cさんが亡くなった夕方、教育長は他人事のように『死んじゃったよ』『今日の小学校のコロナ陽性者は何人?』と意に介さなかった」(前出・別の職員)
教育長本人に訊くと、
「(C氏の自殺時の態度は)一部職員から指摘はあったが、そういうつもりはない。(職務中の取引は)それは事実だと思います。私は本業があるので、教育長に就く際に、議会で職務専念義務について話し合われ了解を得ているはずです」
市村前町長はどう思っているのか。本人を直撃した。