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30年の沈黙を超えて再登場した謎の人物

――連載中の第3部『ぼく歌』では、蓮の前世・ロジオンがキーマンとなります。ロジオンは木蓮(亜梨子の前世)の父ですね。この設定は、先生が相関図を見たりするうちに生まれたのでしょうか。

日渡 第2部の『ボク月』から、主人公が亜梨子の息子・蓮に変わったので、話の展開には蓮の前世人格も介在させないとならないなと。

 なぜ蓮の前世がロジオンだったのか……という部分は、ご想像にお任せします(笑)。今後にご期待いただけましたら幸いです。

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1992年、『ぼくの地球を守って』に登場するロジオン ©日渡早紀/白泉社

――ロジオンは木蓮の父で、30年前の『ぼく地球』では木蓮の幼少時の記憶に登場します。彼はもともと創造神・サージャリムに仕える希少な男性でしたが、若くして亡くなった……というところまでしか明かされていません。

 それが時代を飛び越えて、今の連載『ぼく歌』の最大の謎になっているのが、すごく気になって。

2015年、『ボクを包む月の光』に登場するロジオン(下) ©日渡早紀/白泉社

日渡 単なる偶然です、と言っておきます(笑)。私としては、蓮とロジオンが結びついたことで、いろいろと紐解いていく面白さが出てきたなという感じです。

――そうですね。『ぼく地球』を再読したら、月世界の設定はまだわからないことばかりだなと思いました。

日渡 第2部の『ボク月』を始める頃には思ってもいなかったことですが、サージャリムを扱うとなると、月組や地球組までひっくるめた展開が作れるので、私としてはこりゃよいや、と。

 第3部の『ぼく歌』は、このシリーズの締めには相応しい気もします。偶然こそが必然だと思っておきます(笑)。

ぼくの地球を守って 1 (白泉社文庫)

日渡早紀

白泉社

1998年3月18日 発売