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優秀な営業成績も「結婚をチラつかせて契約を取る」

 関西学院大を卒業後、外資系コンサルティング会社に就職した凜は、その後、プルデンシャル生命保険に転職。入社後すぐに優秀な営業成績を収めた。独身で1人暮らしだった直子さんも凜の顧客で、当時、計1億円に及ぶ生命保険に加入させていた。

「ただ、契約にいくつものコンプライアンス違反が発覚した。顧客に保険内容を理解させないまま契約を結んでいたほか、独身女性に結婚をチラつかせて契約を取る、結婚詐欺やデート商法に近い行為もしていたんです」(プルデンシャル社員)

 複数の女性を騙して成績を上げていた凜。会社には顧客からクレームの電話が寄せられ、20年3月、「業務停止(3営業日)」の懲戒処分が下され、6月末付で会社を去ることになる。その後、プルデンシャル時代の先輩がいる保険代理店に再就職した。元同僚が言う。

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「入社早々、月々50万円払いの大型契約を取り付けてきて、優秀なんだなと感じました。社を引っ張っていこうという意識もあったのか、保険や金融に関するニュースをシェアしたり、『オフィスの電気がつけっぱなしでした』『ゴミが散らかっていましたよ』と同僚を注意したりしていました」

 この時凜は直子さんに追加で約5000万円分、別の外資生保の保険に加入させている。だが間もなく、プルデンシャル時代の不祥事の影響か、保険募集人資格を取り消されてしまう。

亡くなった高井直子さん

「会社は投資用マンションの購入者を不動産屋に紹介し、仲介料を取る事業もしていました。保険を売れなくなった凜はその分野を担当することになった」(同前)

浪費癖、女癖…同級生たちも噂していた「あいつ大丈夫か?」

 月に約100万円の収入を得ていた凜。ロレックスのデイトナを着け、ランボルギーニを乗り回すなど、羽振りの良い生活を送るようになる。とりわけ目立ったのが、女性との関係だ。

「会員制ガールズバーやインスタグラマーの女性に入れあげていた。高級なブランド品をあげたり、高級鮨などに連れて行ったりし、月に数百万使うこともあったと言っていました。凜のSNSを見た仲間内では『あいつ大丈夫なのか』と話題になってもいたんです」(凜の知人)

 しかし、凜には学生時代から交際していた妻がいた。

「20年10月頃、凜は結婚式を挙げましたが、その年の12月には『浮気がバレた』と話していました。最初は『許してもらって、離婚せずに済みそう』と言っていました」(前出・元同僚)

 だが“女癖”の悪さはなかなか直らなかった。