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JRの改札内だけでも7番のりばまであるすごく大きい駅が…

 ムーンライトながらに乗ったことがある人は、覚えているかもしれません。濃尾平野の北を東海道本線が東西に走るその途上にある大垣駅は、さすがに人口約16万人、西濃の中心都市のターミナル。JRの改札内だけでも1番のりばから7番のりばまでを持つなかなかに大きな駅だ。

 

 ここから関ケ原を目指して西に向かう列車もあれば、大垣駅で折り返して岐阜・名古屋方面に戻る列車もある。さらに、特急列車(「しらさぎ」や「ひだ」)も通るし、美濃赤坂方面の支線も分かれる。樽見鉄道や養老鉄道といったローカル線も乗り入れる。大垣夜行があろうとなかろうと、大垣駅はいまもなかなかの交通の要衝ぶりを見せている。

 そういう駅だけあって、駅舎もまあ立派なものだ。橋上駅舎で駅ビル「アスティ大垣」が建つ。この駅舎は1985年に橋上化し、翌年から「アピオ」として駅ビルも営業を開始している。

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 それが2019年に衣替えして、アスティ大垣になった。改札を出てちょっと歩けば、もうそこにはアスティ大垣のドトールコーヒーが出迎えてくれるという、旅人が疲れを癒やすには実にありがたい駅である。

まずは南口へ

 町の中心は、大垣駅の南側にある。北側にはオーミケンシの工場跡地を再開発した商業施設のアクアウォーク大垣や徳洲会病院、大垣日本大学高校などが置かれていて、他も市街地になっているので人通りは多いが、あくまでも町の中心は駅の南側だ。それは、町のシンボルでもある大垣城が駅の南にあることからもわかる。

 

 そういうわけで南口。ロータリーの周囲には背の高いマンションなども目に付くが、やはりいちばんは駅からまっすぐ南下する大通りだろうか。

 歩道には屋根があって商店街になっていて、この町に古くから根を張っているのだろう商店たちが軒を連ねる。駅前旅館の風情を留めた宿泊施設の類いもある。途中、東西に小川が流れていて、それを渡ってほどなく見えてくるのが、大垣城だ。

 

 といっても、姫路城よろしく駅前の大通りからも天主の偉容が望めるようなお城ではなく、案内板にしたがって右に曲がると城跡公園の入口に通じている、というようなもの。厳めしい門の手前には、城跡よりももはや希少価値が高そうな、昭和のはじめごろからありそうな撞球場の建物が残っていた。