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約40年前に誕生した「南千歳」。“敵に塩を送るようなもの”“時期尚早だ”という反対意見も…
ここで、南千歳駅の歴史を探ってみよう。
南千歳駅が開業したのは、1980年のことである。そのときは今とは違う駅名、千歳空港駅といった。当時の空港は、いまの新千歳空港ではなく、自衛隊と滑走路を共用する千歳空港だった。ターミナルビルもいまの場所とは違い、それこそ南千歳駅のほど近く、北側の滑走路に接した場所に建っていた。つまり、南千歳駅は1980年、千歳空港駅の名で空港へのアクセス駅として誕生したのである。
駅設置構想のきっかけは、道央と道東を短絡する石勝線の建設が決まったことにあった。かつて、帯広や釧路といった道東と道都・札幌の往来は、わざわざ函館本線で北に向かって滝川駅から根室本線を使わねばならなかった。つまり、だいぶ遠回りを強いられていたのだ。
そこで、山の中をほとんどトンネルで抜ける新線を建設しようとしたのが石勝線だ。そして、この石勝線の分岐地点として、千歳市内、いまの南千歳駅付近に白羽の矢が立った。