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南口は明らかに違う雰囲気。改めて地図を見てみると…

 再び南千歳駅の橋上通路を渡り、南口に向かう。線路と並んで通っている国道36号は、駅からそのまま通じている陸橋で渡る。国道上にはバス乗り場があるようで、陸橋にはその案内もあった。それを横目に陸橋を渡って降りると、これがまた、やっぱり広い。

 
 

 ただ、北口の広さとは明らかに性質が違う。南千歳駅南口の広さは、北海道と言うより空港の広さだ。駅のすぐ南側、つまり線路に空港の広大な敷地が迫っているということなのだろう。

 国道沿いのフェンスの向こうは緑地になっていて、遠くにはターミナルビルに隣接している管制塔も見える。肝心の飛行機そのものは、空港に乗り入れる道路に阻まれてよく見えない。が、明らかにここは空港であるという、そうした空気感に満ちている。

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 改めて地図を見ると、空港は北と南に分かれていて、北側が航空自衛隊が使う滑走路、南側が旅客機の発着するいわゆる新千歳空港になっている。南千歳駅はどちらかというと北側の、自衛隊の基地に近い場所にある。

 そういうわけで、いくら空港が近いといっても南千歳駅から新千歳空港のターミナルビルまでは、とうてい歩いて行けるような範囲ではなさそうだ。

 
 

 国道沿い、駅からの陸橋を降りたところにはバス乗り場があって、さらに小さな駐輪場も設けられていた。こんなところに自転車を、一体誰が停めるのか。周囲にはもちろん民家のようなものはまったくない。が、実際には数台の自転車が置かれていたから、まったく需要がないわけではないのだろう。

 
 

 国道沿いを少し歩くと、フェンスの向こうに「千歳空港」と書かれたオブジェがあった。いかにも古ぼけていて、昔からこの場所にあったのだろうと思わせる。

 いまは取り立てて何もないような空港の外れの地だが、そこに佇む空港の碑。駅の北側にあった空港公園といい、南千歳駅の南北にはどことなく空港の歴史を感じさせるものが点在しているのだ。いったい、どういうことなのだろうか。