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担任の先生が家まで来たが…

ーーそういった活動をしていると、学校生活に支障が出たりは?

関口 平日も教会に連れて行かれるし、土日も訪問布教があるから、学校の友達とは遊べなかったですよ。母に学校の友達と遊びに行くと言うと、いい顔をしませんでしたしね。だから、教会で他の信者たちの子供と遊ぶしかなくて。

 あとは、入っていた野球のチームを辞めなきゃいけなくなったときは「どうしたんだよ!?」みたいな話になりましたね。

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ーースポーツも続けてはいけない?

関口 スポーツ自体は大丈夫なのですが、布教活動の妨げになるから、ということだったみたいです。

 教義で争うことを禁じてるので、剣道や柔道などの武道はダメなんですよ。だけど、当時の体育の先生がものすごい怖い先生だったので、剣道のときに「やらない」って言えずにやってしまったことはあります。

 当時は教会で教えられたことが正しいと思っているから、防具を着けた時にすごい罪悪感を感じちゃって。学校で剣道をやったことは、母には言えませんでしたね。

 運動会も見学したり、休んだりしてた覚えがあります。

ーー学校の子たちは黙ってくれているけど、さすがに担任の先生はそうはいかないですよね。

関口 僕の家で何かが起こっていることに気づいたようで、ときどき家に来るようになりました。で、母に「学校の行事や、体育の授業に参加させてやってください」と話すんですけど、母はそこで先生に対して勧誘を始めちゃうので、話にならない。

 そうなっちゃうと先生も「お手上げだ」という感じで、そのうち来なくなってしまいました。「信仰は自由だから」と、先生なりに解決してしまったんじゃないですか。

 

 ただ、僕のほうも、先生にはあんまり家には来ないでほしいなっていう。「お母さん、なにを言ってるんだ」ってのもあったし、先生が来ることで不穏な空気になるのが嫌だったので。

ーー修学旅行で神社や寺院に行ったりすることは。

関口 行けないですね。だから、修学旅行は休み。

 あと、友達の親が亡くなって、クラスで葬儀に参列したんですけど、お焼香をするのに葛藤したことを覚えてます。みんなはお焼香をするけど、自分は教義でお焼香は禁じられている。でも、「できない」って言えなくて、やりました。

 やっぱりすごい罪悪感に襲われて、これに関しては母に「実は……」と話しました。こんこんと説教されましたね。

ーーひょっとして、漫画なんかも禁止でしたか。

関口 教義で禁止されていたわけではないけど、いい顔はされないので、漫画は隠れて読んでました。そういうことばっかりですよ。子供がやりたいようなことは、ほとんどできない感じでしたから。クリスマスもなくなったし。

ーーキリスト教系の教団だから、12月25日はイエス・キリストの誕生日として祝うのでは。

関口 いや、エホバの証人はキリストが生まれたのは違う日だって主張してるんですよ。なので、クリスマス・イブになってもプレゼントはないし、お正月の行事なんかもダメで、お年玉もないし。本当につまんねぇなって。