「Romanticが止まらない」などのヒット曲で人気を博したC-C-Bの元メンバー、関口誠人(64)。
2022年7月に安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、親が特定の宗教の信者である「宗教2世」の存在や、彼らが直面する問題に世間の目が向けられるようになった。そんな中、今年の春、Twitterにて、母親が“エホバの証人”の信者で、自身が2世信者だったことを明かした。
入信を機に変わっていった母の様子、母と一緒に訪問布教に明け暮れていた少年時代、自慰をはじめとする教団の禁止事項などについて、話を聞いた。(前後編の前編/後編を読む)
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入信し、頻繁に出かけるようになった母
ーーお母様がエホバの証人に入信されたきっかけというのは。
関口誠人(以下、関口) 信者が家にやってくる、訪問布教ですね。僕が小学3年生のときです。
そこから、母が『ものみの塔』っていう、雑誌みたいのを読むようになったんですよ。それまで『主婦の友』なんかを読んでいたのに、急にそんなのを読んでいるから「あれ?」って。それで、何かが前と変わったなと思いましたね。
ーーその後、お母様が変わったと明確に感じた出来事はありますか。
関口 「教会に行ってくる」と言って、頻繁に出かけるようになったんですね。
僕は、小学校の入学式の日に父を結核で亡くしているのですが、生前は家族でプロテスタントの教会に通っていたんですよ。僕も日曜は礼拝についていってた。だから、最初の頃はそこに行ってるのかなと思ってました。
でも、通う回数が半端じゃなくなって、週に3回ぐらい行くんですよ。しかも平日の夜とかに、晩ごはんを用意して出ていっちゃう。「教会でなにをやってるんだろう」と不思議でしたね。
で、小学4年になる前あたりから、僕もそっちの教会に連れていかれるようになって。
ーー前に通っていた教会とは、雰囲気が明らかに違っていた。
関口 全然違いますね。普通の雑居ビルの一室で、教会的な作りではないので、「なんだろう、ここ?」って。
ーー女性の信徒のことは「姉妹」と呼ぶそうですが。
関口 そうそう。男だと「兄弟」と。最初は違和感があったけど、教団の人たちと付き合う時間が長くなってくると、違和感がなくなって日常になっちゃう。いつのまにか、僕も「なんとか姉妹」「なんとか兄弟」と呼ぶようになりました。みんな優しくて真面目な人たちなんですよ。
ーー教会ではなにをするのでしょう。
関口 1回2時間ぐらいの説教を聞くんですけど、子どもなので、なんの話かわからなくて、退屈で眠くなっちゃうんです。ただ、居眠りしたり、聞いてなかったのがバレたりすると、ものすごい怒られる。母に半ズボンから出ている脚をすごく強くつねられたりとか、そういうことはされましたね。それまで母にそんなことをされたことがなかったのでショックでしたよ。
で、小学5年生ぐらいかな。今度は母親と一緒に、『ものみの塔』の販売を兼ねた訪問布教をやらされるんですよ。