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 その後、家庭裁判所の調査官がお互いの自宅の調査をした。調査官の意見には、別居後のAさんと長男との生活について一部、誤りが記述されていたという。

「書面には間違いがあります。例えば、『事務所内で長男の過ごす場所はほぼソファの上に限られており、事務所の敷地内は、荷物等も多く、事務所建物は入り口に段差があるなど、長男が危険なく動き回るには常に見守りが必要な環境である』とあります。たしかに事務所内の記述は事実です。しかし、2階にも子どもの遊べるスペースがあると言ったのですが、調査官は見てくれませんでした。調査は事実関係の誤りが多い」

長男は「ママに叩かれている」とAさんに主張

 一方、元妻に関する記述は「問題ない」とする内容だった。

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「元妻のしたことは不適切だったけれども、今は改善されており、親権者は母親(元妻)が妥当だと言われたんですよ。その後、書面で『その判断はおかしい』とやりとりをしていました。しかし、母親側から『指定された日までに長男を渡さないと強制執行するぞ』と言われたんです。強制執行をされると面会交流ができなくなります。

 審判のときに、僕は『それでは子どもが死ぬ』『虐待されて怪我をさせられる』『ニュースになるかもしれない。そのときはどう責任を取ってくれるんだ!』と言いました。家裁からは『あの調査結果では問題ない』と何度も言われました」

2歳の長女の親権は現在も母親がもっている(父親提供)

 そうして、Aさんは長男と引き離された。22年11月、長男とも離れて初めての面会交流があった。

「そのとき、長男は『ママに叩かれている。ママと一緒の人に叩かれている』と言うのです。『どこを叩かれているんだ?』と聞くと、『背中』と言って、叩かれた箇所を指さしたんです。もしかしたら、まだ言葉を覚えたてだったので、違っているかもしれないと思い、『頭は?』『腰は?』『足は?』と聞いたんです。そしたら『そこは大丈夫。背中だけ』と言いました。そのため、12月に調停で『長男が暴行をされている』と主張しました」

 長男も虐待されている可能性が高まった。Aさんはどうしたのか。