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「OSO18でクマの恐ろしさばかり強調された」東出昌大(35)が山暮らしで抱いた疑問を‟研究歴50年”米田一彦(74)にぶつけた!「昔はクマをそれは残酷な方法で殺してたよ」

「OSO18でクマの恐ろしさばかり強調された」東出昌大(35)が山暮らしで抱いた疑問を‟研究歴50年”米田一彦(74)にぶつけた!「昔はクマをそれは残酷な方法で殺してたよ」

クマ対談#1

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : ニュース, 社会, ライフスタイル

note

野生動物の個体数を正確に調べるのは難しい

米田 これは法の不備で、その後、銃による止め刺し(罠にかかった鳥獣にとどめを刺すこと)が認められた。昭和の時代、毎年秋田県だけでも200頭近くのクマが害獣駆除の名目で殺されていた。このままではいけないということで、クマの生態と個体数を調べるため、クマの首に発信機をつけて放し、5年かけて追跡調査をやった。

東出 野生動物の個体数を正確に調べるのって実はすごく難しい。僕は有害鳥獣の管理捕獲の免許も持っています。普通、害獣を駆除したら写真撮影して自治体に報告しなければならないのですが、地元の猟師さんたちの中には、谷底に転がってしまって引き上げられない獲物を報告せずに放置してしまう人もいる。そうすると自治体が把握している個体数と実数にズレが生じるわけですよね。

語り合う米田と東出 ©文藝春秋/撮影・杉山秀樹

仲間の応援で錯誤捕獲の場面に立ち会ったことが

米田 クマの場合は意図せず罠にかかってしまう錯誤捕獲や密猟もあるから、余計にわからない。県庁を退職し、90年代にクマ研究を進めるために広島県に移り住んだが、そこでは錯誤捕獲が非常に問題で。多くのクマがイノシシ罠にかかって、駆除されていた。それに歯止めをかけようと始めたのが、クマに麻酔して眠らせたうえで山奥に返す「奥山放獣」。

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米田が撮影した母子3頭の熊

東出 僕も一度、錯誤捕獲の場面に立ち会ったことがあります。僕は罠の免許は持っていないのですが、仲間の猟師さんから「子グマが罠にかかったので応援に来てくれ」と呼ばれて現場に駆けつけました。

 結局、子グマは逃げた後で爪先しか残っていませんでしたが、子供のウエストくらいある木がバンバンなぎ倒されて、クレーターのような穴ができていて。子グマでこれなら大人のクマがかかっていたらどうなっていたのだろうと思いました。

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