「一番やっちゃいけないのが架空取引と粉飾」
事件は有価証券報告書の虚偽記載が焦点となったが、その点について石山容疑者はこう弁明した。
「有価証券報告書の虚偽記載といいますが、『じゃあ有価証券報告書つくってんの誰だよ?』というと、当然プロルートなわけです。私が作っているわけじゃないし、書いたこともない。取引うんぬんについては、どこまでいっても私は“ただの株主”なんですよ。全てスキームを私が考えたというけれど、子会社化にしても、そもそも俺に言われたから(プロルートと谷口氏が)印鑑押すって何? って話です。それぞれ経営者だし、大人だから自分の意志でやったんでしょ、と。ピストルつきつけるとか強制力があるなら別ですけど、当然そういう人間関係があったわけじゃない。
私は上場企業のビジネスを野村證券でやっていました。一番やっちゃいけないのが架空取引と粉飾だと思っています。大体、過去を見ていると架空取引や粉飾は金が内部で回ります。そういう意味でいうと、金の還流は絶対に1回もない。外からの金がちゃんと払われています。最初からプロルートを巻き込んで嘘つくみたいな話でやるなら話はわかるが、全然プロルートはそんなつもりはないと思う。みんなグルならわかりやすいじゃないですか?」
大好きなミスチルを間接的に掌握できると思ったのかも
結局、石山容疑者は直撃から約2カ月後、本人が言う「一番やっちゃいけない」という架空取引と粉飾の疑いで逮捕されることとなった。ある音楽業界関係者は、2人を結び付けたのは皮肉にも、熱烈な“ミスチル愛”だったと話す。
「石山さんは熱烈なミスチルファンで、そもそも谷口さんの前のミスチルのマネージャーにライブのチケットを依頼することが多く、『谷口さんに直接お願いしてくれ』と繋いだのが2人の出会いのきっかけだったようです。石山さんからすれば、谷口さんを儲けさせることでミスチルと近い関係を持てると思ったのかもしれませんし、大好きなミスチルを間接的に掌握できると思ったのかもしれません」
特捜部は引き続き、慎重に捜査を進めている。
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