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 それでもまだまだ国民の大半は他人ごと。あるいは日々の生活に追われ、将来的なことを想像する余裕すらないのかもしれません。

 今こそ私たちは、自分の人生に責任を持つ時代に来ているのだと思います。

 私が出会った高齢者の人たちは、「頭では理解できるけど、もはや動けない」とタイミングを逸した人たちばかりでした。

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 こういった人たちと接していて思うのは、もっと元気なうちに転居していれば、現役の時代に将来を見据えていたら、もう少し早く対処していれば、と残念なことばかりです。

「まだ早い」

 みなさんそう言います。

 でも早すぎて悪いことはありません。早ければ早いほどクリアな頭で、最大限の情報収集をした上で判断することができます。そしてその後の人生を不安なく、楽しむことができます。良いこと尽くしなのですが、人は「まだ早い」と目を背けてしまいます。

家族がなんとかしてくれる時代は、とっくに終わっている

 自分が老いることを認めたくない、認知症になることを想像したくない、弱ることや死ぬことを考えたくない、自分にまだ元気があることを誇示したい、その思いは分かります。でもそこに蓋をしてしまった人が、困ったことになっているのです。

 まだ今は、誰かがボランティアで何とかしてくれるかもしれません。でもこの先、高齢者がますます増え、若い労働者人口が減ってくれば、もはや備えていない人たちは誰にもケアしてもらえなくなります。

 子どもがいる人だって、子どもが自分より長生きする保証はありません。日本に住んでいるとも限りません。

 今まで一生懸命に働き、資産を形成してきたのです。誰かに残すことを考えるより、生きている間の自分のためにお金が使われるように備えませんか?

 家族がなんとかしてくれる時代は、とっくに終わっています。これからは自分のことは、自分で備える時代。どんなにピンピンコロリであったとしても、死んだ瞬間から誰かの手を借りなければ成り立ちません。

©AFLO

 まずそこに早く気が付くべきなのです。

「まだ早い」なんて言っていると、サポートしてくれる会社の争奪戦に出遅れて負けてしまう、そんな時代が来るかもしれません。

 そして家族・親族だけではなく、心の支えとなる友人・知人も大切にしていきましょう。彼らはあなたの人生の晩年を、豊かにしてくれる貴重な存在です。

 善意に頼って、関係を最後に壊すのは止めましょう。そんな悲しいことはありません。何度も言っていますが、家族以外の誰かに頼るなら、正式な権限が必要であることをお忘れなく。権限がなければ何もできず、後味の悪い最悪な結果となってしまうでしょう。