たとえ何かを犠牲にしてでも、彼らには譲れない“スタイル”がある。ぶっ飛んだ改造でアイデンティティを表現する、カーマニアたちの素顔に迫る!

 今回は、深紅のプリウスを個性的にカスタムする吉岡さんをご紹介。

高校生の頃から、手に入れた乗り物はことごとくカスタムしてきた

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家庭と趣味の両立のため「夜勤+日中バイト」

 とにかく昔から乗り物を弄るのが好きで、高校生の頃から原付を弄って遊んで、車を買うようになってからも弄れるところは弄っていましたね。

 免許を取って最初に買ったのはMRワゴンで、当時は珍しかった軽のエアサス仕様にして、エアロもワンオフ加工をしまくって。車を買い替えるたび、そういうことの繰り返しですね。

プリウスの流線形のボディをマッシブなフェンダーで肉付け

 ただ、妻はもともと車弄りには寛容だったのですが、子どもが生まれてからは「そろそろ止めたら?」と少しずつ厳しくなっていって(笑)。このプリウスを買うときも、なるべく改造費を抑えられるよう、最初から軽く弄ってあるやつを買ったんです。

スピーカー類が派手な外装と同等の存在感を主張している

 弄るたび渋い顔をされるのもアレですし、パーツは新品を使わず、いつも中古パーツを探して付けていますね。このプリウスには200万円もかかっていないんじゃないかな。

 改造費はもう、全部バイト代から出しています。普段は夜勤をしているんですけど、日中にもバイトとして農家さんの手伝いをして、その分をまるまる車にかける感じですね。それでなんとか、妻に対する体面を保てているというか。

カバー部が回転する構造の珍しいホイール

 昔からあまり人がやらないような仕事をすることが多くて、今は新幹線の設備関係をやっています。鉄道なので、夜勤じゃないと作業ができないんですよね。

 以前は福井の原発で働いていたことがあり、そのときに震災で福島の原発事故があったので、作業員としてそっちに駆り出されたこともありました。テレビでやっていたように、白い服を着て、全面マスクで。年間に浴びることができる線量が決まっているので、持ち回りでやっていく感じでしたね。

トランク内に組み込まれるオーディオ。荷物を載せるスペースも確保されている

 今の仕事に就いてからは4、5年です。乗り物関係だからなのか、職場は車好きばかりで、むしろ弄っている人の方が多いくらいなんですよ。自分も通勤にこの車を使っていますけど、注意されたりは全然ないですね。

 家族のお出かけにも、ちょくちょくこの車を使っています。ただ、小6の息子は車には全然興味がないようで、父親としてはちょっと寂しい思いもありますね。

プリウスは通勤車としても使っている。車好きが多い職場で、改造車にも寛容なのだとか

 興味を持ってくれれば一緒に楽しめますし、妻の目も少しは緩くなる気がするんですけど……。いや、そこまで望んじゃいけないですね。