7月に世界同時配信となったドラマ『地面師たち』は公開後たちまち日本で大ヒット、独占配信しているネットフリックス内のグローバルTOP10 ランキング(非英語作品、シリーズ)でも2位に浮上するなど話題を呼んでいる。2月よりディズニープラスで独占配信されている『SHOGUN 将軍』(真田広之主演)は、“米テレビ界のアカデミー賞”ともいわれるエミー賞で史上最多となる18部門を受賞する快挙を遂げた。
なぜネットフリックスやアマゾンプライム、ディズニープラスら“動画配信メジャー”は次々と話題作を生み出すことができるのか。
配信メジャーの映像制作は従来のテレビ局とは作法が違う
「今、動画配信業界は巨大な影響力を持っていたかつてのテレビに匹敵する存在となりつつある。そんな新時代の覇権を巡り、ネットフリックスやアマゾンのような外資系企業、日本のテレビ局やディズニーといったコンテンツホルダーたちが入り乱れて争っています」
そう語るのは前アマゾンプライムビデオ日本オリジナルコンテンツ製作責任者の早川敬之氏だ。今年の3月までアマゾンに在籍していた早川氏は、アマゾンジャパンがこれまで制作した中で過去最大級の予算を投じた『沈黙の艦隊』や『バチェラー・ジャパン』、『風雲!たけし城』などを手掛けた。
いわば外資系動画配信サービスの内実を知りつくす同氏だが、「もともとはテレビマン」であり、NHKとフジテレビの局員として計20数年にわたり、バラエティからドキュメンタリーまで様々な番組制作に携わってきた。
「私のようにキャリアの大半を放送局で過ごした人間には、ネットフリックスやアマゾンの番組作りは“常識外れ”に映ります。それほど配信メジャーの映像制作は従来のテレビ局とは作法が違う」