「死ね」「殺すぞ」「くたばれ」――。
さいたま市に住むAくんは、小学校4年生の2022年4月からクラスメートから何度も暴言を言われる、殴られるなどのイジメを受け、不登校になった。Aくんが受けたイジメについて、母親はこう語る。
「4年生で同じクラスになったBという男子にターゲットにされ、『死ね』『くたばれ』などと何度も言われ、中指を立てられることもあったようです。Aは、イジメが始まるとすぐに『学校に行きたくない』と言うようになりました。担任に電話や連絡帳で『クラスの子からお腹にパンチされた』など状況を説明し、学校まで付き添うこともありましたが、状況は改善しませんでした」
4月に始まったイジメは徐々にエスカレートし、5月頃には暴力も振るわれるようになっていた。母親はその時期も担任に相談を続けていたが、6月の休み時間中には、5分間にわたってトイレに閉じ込められる事件が発生した。
「休み時間にトイレに行ったところ、Bに個室の外からドアが開かないように押さえられ、何度押してもドアが開かず閉じ込められました。『助けてー!!』と声をあげたそうですが、チャイムが鳴り休み時間が終わっても誰も来なかったと言っていました。結局、Bがドアから離れるまで出られませんでした」
次第にAくんが「学校に行きたくない」と言う頻度は増えていった。Aくんが受けたイジメは以下のようなものだ。
7月 突然お腹をパンチされ、何度も腕を殴られる。
9月 校庭で泥を投げられ、Tシャツを汚される。
体育の時間に「お前は役に立たない」「お前女かよ、死ね」と言われる。
遠足で階段を登ってるときに上から押される。遠足の帰り道に腕を何度も殴られる。
10月 上履きを投げつけられ、「死ね」と言われる。教室で足を蹴られる。
そして10月には、授業中に怪我をして帰宅する事件も起きた。
「図工の授業中に、Bに顔を箒で殴られたというんです。その日は担任から状況報告と『相手の親にもこの件を伝えた』と留守電が入っていました。箒で殴られた頬骨の部分が赤くなっていて、Aも痛いと言うので夜間救急を受診しました。骨に異常はなく、打撲の診断でしたが、Bの親からの連絡はありませんでした」