当時の朝日新聞によると、実はこの3日前、弟から署に「2週間前から姉と連絡が取れない」との通報があった。6日になって弟の都合がつき、同日午後7時すぎに署員とともに大原の自宅に入った。2階寝室のドアを開けたところ、仰向けで倒れていたという。

 大原の自宅は施錠され、外部からの侵入や物色の跡などがないことから、事件性はないと警察は判断した。実弟がのちに報道関係者に明かしたところによると、左目の周りに青いアザのようなものができていた。殴られたのではなく、脳内出血した血液の一部が流れた跡だという。死因は不整脈による脳内出血。死後3日が経っていた。

 その頃、大原は90歳を超える母親と一緒に暮らしていたが、母親が施設に入ってからは一人暮らしだったという。

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「女優」でなく「俳優」

 大原の晩年は病魔との闘いだった。47歳の時、乳がんの手術を受け、うつ病にも悩まされていた。さらに、20代の頃に発症したギラン・バレー症候群が再発。免疫が異変を起こして運動神経を攻撃することが原因で、急に手や脚に力が入らなくなり、歩行障害などを引き起こす進行性の難病である。

©文藝春秋

 亡くなる前年の11月、自宅で転倒し、右手首2カ所を骨折。その際、インターホン越しに取材に答えた大原は、涙声で「歩くのがやっとなんです」と話したという。

 実弟によると、大原が亡くなった時、1.5メートルから2メートルほど離れたところに携帯電話が置かれていたという。そのわずかな距離ですら、彼女は移動することが難しかったのかもしれない。

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