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昆虫でも動物でも「なんでも来い」のクイズプレーヤー、問題作りはどうやってる?

学生作家・篠原かをりインタビュー

note

クイズ制作のコツは何でしょう?

――わっ、今日履かれている靴も虫柄ですね。それはオリジナルですか?

©鈴木七絵/文藝春秋

篠原 いえ、売っていたものです。定期的にメルカリやヤフオクで「レディース・昆虫」というキーワードで検索してムシ柄のアイテムを買っています。この靴は意外と「TORY BURCH(トリーバーチ)」というブランドものなんですよ。

――おしゃれに見えてきました(笑)。クイズの問題を作るときのコツや法則ってありますか?

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『フムフム、がってん! いきものビックリ仰天クイズ』(篠原かをり 著 田中チズコ イラスト)

篠原 クイズの大会用の問題を作る場合は、最初は「知る人ぞ知る」系の難しい情報を出して、徐々に難易度を下げていく……というのが基本的なルールです。たとえば「リンゴ」が答えだった場合、すぐに解答ボタンを押されないように、まずは「バラ科の果物である」というような、絞りきれない難しめの情報を出して、そのあとに「ニュートンが万有引力を発見するきっかけになった」という中間レベルの情報を出して、最後に「うさぎの形にカットされる」という誰でも知っている情報を出します。幅広い知識をたくさん持った人から解答がわかっていくように、難易度の高いものから情報を小出しにするんです。でもテレビ番組の場合は、短くて簡潔な問題のほうが好まれますね。

ひっかけ問題はどう見破ればいいでしょう?

――早押しクイズの場合、「〜は……、ですが〜」みたいな、ひっかけ問題もよくありますよね。

篠原 ありますね。自分が解答者として出る場合は、出題者の問題を読むスピードやイントネーションとかに注意して、ひっかけ問題かどうかを聞き分けて、「……、ですが〜」の先の本当の答えを先読みして答えるようにしています。問題を作る側の場合は、あやしい選択肢がいくつかあって答えが確定できずに解答者が悩むような、いい問題を思いついたときはやっぱり嬉しいですね。一方ですごく簡単な問題も需要があるので、クイズ作成者にはバランス感覚が大事なのかなと思います。

©鈴木七絵/文藝春秋