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利用者は約1500人に。どうして医療関係者が使ってるのか

 清野社長に聞いた。

――いまポケベルってどれぐらいの利用者がいるんですか?

清野 1500人ぐらいです。だいたい医療関係者が使っていますね。

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――なぜ医療関係者が使うのですか?

清野 まず電磁波を出さないこと。携帯電話・PHSは送信機器であるために強い電磁波を発しますが、ポケベルは受信機なのでそれがありません。医療機器など精密なものに対して、電磁波が影響を与える可能性があると考えられてきましたので、そこで重宝されているんです。もう一つの理由は、ポケベルの電波は奥まった建物でも受信しやすいから。病院や学校などは構造的に頑丈に造られていて、電波が入りにくい。中でもレントゲン室は電波がとても入りにくいので、レントゲン技師がポケベルを持っていたりするわけです。

清野英俊社長

――災害時に利活用されることも多いとか。

清野 実は災害時、ポケベルは最後まで残る通信手段になることができるんです。東日本大震災でそうだったように、携帯電話はみんながいっぺんに電話やメールをすると、遅れたり届かなくなったり、通信制限が起きます。メールですと2~3時間遅れて届くようなこともありましたよね。さらに携帯電話の基地局はあちこちにあり、地震が起きるとメンテナンスが難しいんです。スマホで使うWi-Fiルーターも、停電すると使えません。

 ところがポケベルの電波は遠くまでとどくため、基地局は数箇所でOK。そこの電源さえ落ちなきゃ良いんですよ。23区ならポケベルは、2つの基地局でカバーできます。巨大地震の際にも電源はまず落ちません。

――そう言える根拠は何なのでしょう?

清野 23区のポケベル基地局の1つは東京電力本社の屋上にあるんです。東電ですから、首都直下地震が起きても、きわめて電源が落ちにくい構造になっている。つまり東京で最後まで電気が落ちないとされている場所の一つなんです。

「あの赤い塔、あそこに基地局があるんですよ」

――しかし、なぜポケベルの基地局が東電にあるのですか?

清野 東京テレメッセージを作った会社が東電だったからです。ですからウチの基地局は首都圏にありますが、ほとんどが東電の施設にあります。