カラーマンガで描かれる巨匠たちの群像劇
2009年は日本のマンガ界において特筆すべき年になった。ヤマザキマリ著『テルマエ・ロマエ』第1巻が発売されたからだ。のちに爆発的ヒットを記録した同作だが、発売当初は海外在住のマンガ家が手がけた、「ローマ風呂」がテーマの一風変わった内容のマンガということで、じわじわと話題になり、まもなく人気に火がついた。私が同作を手に取ったのは発売2ヶ月後のことで、あまりの面白さに文字通り爆笑したことをよく覚えている。
アートであれ小説であれマンガであれ、やはり傑作とはどんなに地味に構えていてもその輝きは隠せないものだ。ローマ時代と現代の日本をマンガというメディアで繋いでしまった著者の発想は、すぐれた文化芸術は時空も国境も超えて伝わるものなのだという、アートの普遍的な定義をあらためて明示するものだった。
あれから13年。『リ・アルティジャーニ』を一読して、これこそ著者が最も描きたかった一作に違いないと確信した。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 2022年11月号