文藝春秋5月号の巻頭グラビア「日本の顔」に、柔道家の角田夏実さんが登場しました。
世界選手権3連覇。パリ五輪では金メダルを獲得し、48kg級最強女王の角田選手には世界中に大勢のファンがいます。かくいう私も、2022年の世界選手権で美しい柔道の虜に。ブレのない体幹と静かな足捌きに見惚れていると、瞬間、足元に潜り込み、相手の体を無防備に中空へ舞わせます。そして、ポーカーフェイスから繰り出される寝技の力強さには、気づけば画面を凝視していました。

今回の取材では、東京学芸大学柔道部での練習も2度見学させていただきました。角田選手を囲む後輩たちの、なんと楽しそうなこと。打ち込みをしながら笑顔で何やらヒソヒソ話を交わし、腰痛持ちの角田選手の腰に素足で乗っかりマッサージをする一幕も。
「みんなほんと、バカですよねぇ」
じゃれ合う後輩たちを愛おしそうに眺める角田選手。

同号「日本の顔インタビュー」では、代名詞ともいえる巴投げの原点が、幼い頃に父・佳之さんとした「飛行機ごっこ」にあったというエピソードを紹介しました。角田選手にとって柔道は元来、家族や友だちとの遊びの延長にあったそうです。
投げたり投げられたり、体を媒介とする人間関係の有り様は、言葉だけを介したそれとはきっと、全く異なるもの。「柔道は楽しい」という原点に立ち返るための場所が、母校の学芸大学なのだそうです。

学芸大学での自然体で和やかな練習風景を見ているうちに、私の柔道熱は沸騰。「私も投げられたい……」。先日ついに、都内の初心者柔道教室の門を叩きました。道着を借り、気合十分で待っていると、先生からは「まずマットででんぐり返り、してみましょうか」と一言。
有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。
記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!
初回登録は初月300円
月額プラン
初回登録は初月300円・1ヶ月更新
1,200円/月
初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。
年額プラン
10,800円一括払い・1年更新
900円/月
1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き
電子版+雑誌プラン
18,000円一括払い・1年更新
1,500円/月
※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
有料会員になると…
日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事が読み放題!
- 最新記事が発売前に読める
- 編集長による記事解説ニュースレターを配信
- 過去10年7,000本以上の記事アーカイブが読み放題
- 塩野七生・藤原正彦…「名物連載」も一気に読める
- 電子版オリジナル記事が読める
source : 文藝春秋 電子版オリジナル