建築家たちの提言。この国のかたちを金融資本主義の好きにさせない
「今の東京は、『新自由主義』信奉者の植民地のようだ」。今年1月、建築家の山本理顕(やまもと・りけん)氏は日本外国特派員協会の講演で強く訴えた。建築によるコミュニティーの創出を目指し、建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を受賞するなど活躍してきた山本氏。同氏によれば、現在、東京の大規模再開発は「地域のコミュニティーを壊している」状態だという。
なかでも、その一端を担っていると隈研吾(くま・けんご)氏ら著名建築家たちを名指しして批判し大きな話題となった。ただ、高度経済成長から50年以上が経ち、全国で様々なインフラが老朽化を迎えて再開発の必要性が差し迫っているのも事実。日本の都市開発が抱える問題とは何か、今後どう解消していくべきか。名指しされた隈氏が山本氏の事務所を訪ね、当事者同士で本音を語り合った。

研究室の大親分
山本 こうやって隈さんと話していると研究室時代を思い出しますね。
隈 理顕さんとは東京大学時代、原広司先生の研究室(以下、原研)で一緒でしたね。といっても、私と理顕さんが9歳違い、理顕さんと原先生が9歳違いで、私が1977年に研究室に参加した時には、理顕さんは先生と古い友人のように話していて、研究室の大親分のように君臨されていましたが(笑)。
山本 大親分じゃないですよ(笑)。勝手に助手のような役割だったと思っていました。私は東京芸術大学の大学院を修了して、1971年に原研に研究生として入りました。原研はその2年前に六本木にあった生産技術研究所にできたばかり。駒場や本郷といったメインキャンパスではない場所だったけど、当時原先生の研究活動や『建築に何が可能か』(学芸書林)などの著作活動に刺激されてお会いしたくて押しかけた感じでした。
隈 まともな優等生は絶対行かない研究室でしたね。そしてよくみんなで麻雀をしていました。
山本 いやいや、みんなまともでした。隈さん、竹山聖さんが大学院に入ってきた頃から雰囲気が変わったのは確かですけど。私も麻雀は原研で学びました(笑)。
隈 原先生は自分が勝つまでずっと麻雀をやめなかったですからね。土曜日の夕方にはじめて、日曜日の朝を越えても終わらない。
山本 徹夜明けで電車に乗って家に帰ろうとすると人の流れとは逆になる。学生の身からすると、あの帰宅の電車は居心地悪かったなぁ(笑)。
東京が「破壊された」
隈 懐かしいですね。そんな大先輩にこの間の講演で私の名前を挙げられたから、つい背筋が伸びましたよ。
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