燃える闘魂は対戦相手ではなく観客と戦っていた
アントニオ猪木が亡くなったのは10月1日のことだった。
ネットニュースに訃報が流れた直後から次々にアップされていく無数のツイートを『1976年のアントニオ猪木』の著者である私は、ただ呆然と眺め続けた。
テレビ朝日は追悼番組を組んで過去の映像を大量に流し、NHKは「クローズアップ現代」で異例の特集を組んだ。
私の心に最も深く突き刺さったのは、元女子プロレスラーのブル中野の言葉だった。
《小学5年生の時、テレビで猪木さんの試合を見て「自分は今まで生きていなかったんじゃないか」と思うくらい激しく心を揺さぶられて、プロレス界に飛び込みました》(『週刊文春』10月13日号)
人生に絶望していた10歳の少女に「私も生きてみたい! この人のように」と思わせるプロレスラー。それこそがアントニオ猪木だった。
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source : 文藝春秋 2022年12月号