「僕が描きたかったこと」

エンタメ テレビ・ラジオ 歴史

政子の大演説は皆さんのイメージと違うかも

『鎌倉殿の13人』がいよいよクライマックスを迎える。執権・北条義時と後鳥羽上皇のバトルが過熱し、北条政子は尼将軍となった。脚本家の三谷幸喜は最終決戦「承久の乱」をどう描くのか。

 三谷(以下同) 承久の乱での北条政子の大演説については、ちょっと皆さんのイメージと違うかもしれません。当初は政子が何千人もの御家人の前で演説を繰り広げる、ダイナミックなシーンを想定していました。でも、プロデューサーと話す中で、エキストラを確保するとか、諸々制約があって難しいことが分かった。どうすればそれに優るシーンになるのか。そこで、政子が誰に対して語るのかを考えてみると、僕は間違いなく義時だと思ったんです。なので、政子の演説は意味的には義時に向けたメッセージになっています。それで気づいたんです。このドラマは結局は家族の話なんだと。

 小栗旬が「衝撃のラスト」と語る最終回。ラストシーンは義時と政子の会話になるという。

最終決戦「承久の乱」勃発 ©NHK

 これは、織田信長のような英雄が主人公の、日本全国を舞台にした壮大な歴史劇ではありません。伊豆の片隅で穏やかに過ごしていた北条家の平凡な人たちが歴史の大きなうねりに巻き込まれていく。結局僕が描きたかったのは、そんな北条家の家族の話、とくに義時と姉の政子の関係です。だからこの長い物語は2人の話で完結しないといけないと思いました。あれ以外の終わり方はないと自負しています。

 今までの大河になかったラストになったはずです。朝日新聞の連載コラムでアガサ・クリスティーのある作品がイメージにあったと書きました。今さら『オリエント急行殺人事件』や『アクロイド殺し』ではありませんよ。もっとマイナーな作品です。クリスティーといえば、毒殺モノ。毒殺が起きる作品をいくつか思い返していたら、ある作品のあるシーンを思い出したんです。

『新選組!』、『真田丸』に続き、3度目となった大河。4度目は?

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2023年1月号

genre : エンタメ テレビ・ラジオ 歴史