今こそ「政府日銀共同声明」の見直しを
2013年に就任した日銀の黒田東彦総裁は、デフレからの早期脱却と持続的な経済成長の実現に向け、異次元の金融緩和を続けてきました。その背景となったのは、総裁就任直前に政府と日銀の間で取り決められた「共同声明(いわゆるアコード)」です。
この共同声明は、政府は構造改革などの成長戦略によって経済の再生を図るとともに、持続可能な財政構造を確立すること、日銀は金融緩和によって物価上昇率2.0%の早期実現を目指すことなどが明記され、アベノミクスの三本の矢を掲げた第二次安倍政権と日銀の連携強化を示す、異例のものでした。
それから約10年。現状はというと、潜在成長率は上がらず、賃金も伸び悩んでいる。日本の社会には相変わらず閉塞感が漂い、若い世代も含め、多くの人が将来に希望を持てない状態が続いています。
平野と翁が運営幹事を務める「令和国民会議(通称:令和臨調)」は、世代や党派を超えて取り組むべき積年の構造改革課題の解決に向け、経済界・労働界・学識者などの有志で発足しました。私たち二人は、令和臨調の第二部会「財政・社会保障」で共同座長も務めています。
過去には民間政治臨調(1992年)、21世紀臨調(1999年)が組織され、政治改革、地方分権改革、行政改革、司法制度改革などを後押しした歴史がありますが、令和臨調も民間組織であることの特性を生かし、政界・官界をはじめ国民各界や若い世代に働きかけを始めようとしています。
共同声明公表から10年が経った今、令和臨調は、そこで謳われた政策連携の総点検と、政府・日銀の「新たな共同声明」作成の必要性を感じています。
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source : 文藝春秋 2023年3月号