葡萄の氷

短歌

エンタメ アート
©アフロ

船底のようなる雲が伸びてきて黒のなかより雷(らい)を放てり

夏の暮れガスの青火のかたわらに豆腐を切りて豆腐を殖やす

夕日射し黄金(おうごん)となる橋を行くだれもだれもが足だけになり

人厭(いと)うこころ隠して会は過ぐ葡萄の氷を買いて帰らむ

ゆうぐれは空より来るか地上から湧くのか さやと赤蜻蛉(あかあきつ)飛ぶ

どの人もまぼろしの線引きおらむ三つの星が夏の夜に浮く

死者のマイナンバー残り生者より殖えゆく未来 夕雲が散る

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2023年9月号

genre : エンタメ アート