「無情の夢」「ボーイ・ハント」「君に会いたい」

近田 春夫 ミュージシャン
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佐川ミツオ「無情の夢」
(1935年、作詞:佐伯孝夫 作曲:佐々木俊一)

伊東ゆかり「ボーイ・ハント」
(1961年、作詞・作曲:ニール・セダカ、ハワード・グリーンフィールド 訳詞:漣健児)

ザ・ジャガーズ「君に会いたい」
(1967年、作詞・作曲:清川正一)

近田春夫 ©文藝春秋

 今回企画の趣旨では、選曲は音楽より“コトバ”の側で考えたほうが良いように思えた。とはいえ、旋律、和声、リズムといった音響的要素の果たす役割は無論ゼロではない。ひらったく申せば「言高音低」だ。また歌手の技量/個性も無視出来ぬ。そういった観点からバランスに留意し、自分の選んだ歌が果たして場違いなものになっていないか用心はしつつ、一方自分らしさも大切にしたいと思うと、先ず浮かんだのが佐川ミツオの「無情の夢」(オリジナルは児玉好雄)なのだった。

 その独特な唱法に、ミドルテンポのエレキギター中心のリズムを合わせるという編曲は、昭和歌謡随一のモダンな着想といっても過言ではない。

「ボーイ・ハント」の、漣健児(さざなみ・けんじ)による日本語訳詞の醸し出す夢見心地は、是非とも後世に伝えたく思う。伊東ゆかりの上品な色気、原曲のコニー・フランシスの切なさもたまらない。

 GSは迷ったが、ザ・ジャガーズの「君に会いたい」。結局これにした。

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source : 文藝春秋 2024年2月号

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